総長様の溺愛は、甘すぎます。
それから今まで、俺は、凌のことをすぐそばで支えてきた。

凌が通ると、女子はみんな乙女のような顔をして。だけど、誰も凌に告白するようなことは、しなかった。

凌は、女になんて一切興味がない。近寄るな、そんなオーラをいつも放っていた。

そんな凌が、時折見せる表情がいつも少し引っかかっていた。


凌がぼっーとしてる時に見せた、すごく切ないような、でも、愛おしそうに誰かを思っているような、そんな凌の顔は今でも忘れない。

そんな凌が、俺に

「マジで奇跡ってあるんだな。」

と、意味深なことを言ってきた時、俺は勘づいてしまった。

もしかしたら、凌の表情の正体は、それなのかもしれない、と……

「人か?」

「あ、ああ。」

「会わせて欲しい。」

どうしても、俺はその正体を自分の目で確かめたかった。

その凌が連れてきたのは……

まさかのあの白鳥様の娘だったなんて…
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