恋愛計算は間違える(アルバートとテレーサ)
<ブランシュール城・16時30分>

大きな両開きの扉がきしんで
少し開いた。

銀灰の髪、黒に近いグレーの服を
着た女が・・・
やつれているが20歳代だろう・・
出て来た。

「連絡がいっていると思うが、
アルバート・ロランドの身柄
引継ぎに来たと、領主に取り次いで欲しいのだが」

「わかりました。
わたしがブランシュールです。
どうぞこちらに・・」
管理官とアルは、顔を見合わせた。

てっきり使用人が出てくると
思ったが、まさか領主本人とは。

1階のホールを抜けて、
応接間らしき場所に通された。

何もかもが古い。
一時代タイムスリップしたようだ。

壁には
代々のブランシュール家の
家長らしき肖像画がいくつもかけられている。
掃除が行き届いていない・・
埃っぽい。

管理人とアルが並んで座り、
女領主が正面に座った。

陽が暮れかかっているせいで、
室内全体が薄暗く寒い。
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