王子と姫の狂おしい愛~結婚生活編~
「ん?」
「琥珀、怖い…どうしたの?何かあった?」
「あ…ごめんね…!
怒ってないよ!ダチから連絡があったんだ」
「ダチ?
………って誰?琥珀って、そんな名前のお友達いた?」

「は?ダチってのは、友達のことで!暴走……」
「ん?」
「あ、いや…学生の時の友達なんだ」
「へぇーどんな方なの?
琥珀のお友達、会ってみたい!」
「あ?ダメに決まってんだろ!!?」
「え……?そんなに、怒らないで?」
凄い剣幕で言われ、ビクッと身体を震わせる椿姫。

「あ…ごめんね!違うんだ!怒ったんじゃなくて………」
椿姫を抱き締め、背中をさする琥珀。
「そんなに怒らないで、会わせたくないならそう言えばいいでしょ?そんなに私のことって紹介できない?」
その琥珀を押し返した椿姫。
「お手洗いに行ってくる…」
「え!?椿姫!?」
静かに寝室を出ていった椿姫だった。

「椿姫様?」
「あ…二階堂」
椿姫はゆっくり二階堂に近づくと、二階堂の胸にコツンと額をくっつけた。
「え……?椿姫様…?どうされました?」
二階堂は椿姫を思わず抱き締めようとして、手が宙で止まった。

「二階堂…私って、そんなに恥ずかしい女?」
「は?そのようなことあり得ません!
貴女様は、とても美しくて高貴な方ですよ。
僕の方が隣に立っていて、椿姫様に申し訳ないと思う程に……」
「一人じゃ何にもできないし、お仕事したことないし、いつも琥珀や二階堂達に守ってもらってばっかよ?」

「琥珀様も言ってたではありませんか?
貴女様は特別な方なんですよ!」
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