婚約破棄されたので薬師になったら、公爵様の溺愛が待っていました
思わず叫んだイライアスに驚きながらも、オーレリアは近づいてんる。

「腕をどうかされたのですか?」

イライアスが必死に隠そうとしているせいで、逆にそこに異変があると察したようだ。

「止めろ!」

制止にも関わらず、オーレリアはイライアスの手を取ってしまった。その瞬間「きゃあ!」
と甲高い悲鳴が上がり腕を離される。

彼女は震えながら大きく目を見開き、イライアスの腕を凝視していた。

「呪いが……」

その呟きに、イライアスは殴られたような衝撃を覚えた。

恐る恐る、腕に目を向ける。


そこには蔦が絡まるように複雑怪奇に入り混じった、漆黒の文字が刻まれていた――。

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