婚約破棄されたので薬師になったら、公爵様の溺愛が待っていました
アレクシアが追放されたのだって、オーレリアに危害を加えたためとの建前だったが、それよりも前から、嫌われていと思われる兆候はあった。

相手は王太子なので神経をすり減らしながら慎重に接し、決して不快感を与えないように努力していたというのにだ。

つまり、感性が違うのだろう。

メイナードもそう感じているから、なるべく関わらないようにしているのかもしれない。

「それよりも、弟とは連絡が取れたか?」

「あ、はい。メイナード様とルーサーのおかげです。元気にしているようで安心しました」

弟のルイにアレクシアからだと分からないように送った手紙でも返事が来ないのでずっと心配していたところ、メイナードがルーサーに指示をして、直接届けてくれたのだ。

もちろんブラックウェル公爵の側近としてではなく、適当な偽名を使ったとのこと。

アレクシアが嫁ぐ以前からルーサーは王都で情報収集をしていたようで、あっさりと手配をしてくれた。

「前の手紙は、アークライト侯爵が握りつぶしていたのか?」

メイナードが不快そうに眉をひそめる。

「はっきりしないのですが、父よりは継母の可能性が高いと思います。父はあまり屋敷にいませんから」

ルイ宛ての手紙をいちいち気にして、取り上げるほど暇ではないはずだ。
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