婚約破棄されたので薬師になったら、公爵様の溺愛が待っていました
アレクシアが戸惑っているのはよく分かった。それまで甘い台詞など口にしたことなどなかった自分が、まるで人が変ったように愛を囁くなんて。

けれど、想いを口にしたら止まらなくなった。

アレクシアを愛している。他の誰にも渡さない。

彼女を幸せにするのは自分以外にはいない。

想いを込めて見つめると、アレクシアは泣き出してしまった。

「はい……メイナード様の本当の妻になります。夢みたい……嬉しい……」

華奢な肩を震わすアレクシアが愛しくて、メイナードは溜まらない気持ちで手を伸ばしその体を抱きしめた。

「アレクシア……好きだ。愛してる」

「メイナード様……」

涙目で見つめてくる彼女に頭がくらりとした。

強く抱きしめてその可憐な唇に初めて触れた。
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