下弦の月
仕事が休みの日曜日。




久しぶりに、彩芽の仕事が終わってからーー飲みに来ていた。





彩芽は、大学を出てから美容師の専門学校に通って美容師になった。




史学科に通ったのは、前世の記憶があるから歴史を学びたかったかららしい。








そのバーは、彩芽が職場の人に連れて来て貰ってからくるようになったバーで。




私に、会わせたい人がいる。と言われて……




このバーなった。





カウンターに座って、カクテルを飲みながら。





マスターに、





「親友の水上 月香。覚えてない?」





なんて妙な紹介をした。




不思議に思って、彩芽を見ると。





「月香?ああ…あの月香か!」




って声が耳に届いて、




彩芽とマスターを交互に見る。





「俺の前世は…原田佐之助。彩芽と同じで、前世の記憶を持って生まれ変わったんだ。ちなみに、現世での名前は高橋淳平。」





ニカッと笑った、少年っぽい笑顔。




原田さんと同じ気がした。





「どう?思い出した?」




「うん、でも…どうして彩芽はわかったの?」





彩芽は、一人でバーに来るようになってから、




色々あって前世の記憶を話した時に、淳平さんが原田さんの生まれ変わりだと知ったみたいで。




私を、此処に連れて来てくれたらしい。
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