恋歌-Renka-





「俺は花音には好かれてはいないけど…俺は花音を誰よりも一番愛してる。もう叶わなくても、もう話せなくても…俺は花音以外の奴は愛せない…」



たとえこのまま嫌われてしまっても



それでも構わない……。




美保はそんな俺を見て
フッと笑った………



何がおかしい?




そう美保に問おうと
口を開いた瞬間




「帝!!」




愛しい大好きな声で
俺の名前が呼ばれたーーー。





「完敗ね……」




再度、鼻で笑って美保は
一言残すと、どこかへ去っていった。





美保が笑ってたのは
こういうことだったのか……




でも、完敗って……
どういう意味だ?




それに花音は
いつからそこにいたのか…




ま、まさか………!?




美保とのキスが
鮮明に蘇る




もしかして見られてた!?




俺は内心ヒヤヒヤしながら
花音のもとへと近づく。




夏休み以来、花音とは
一言も話していない



俺が彼女を避けていたから




だから何て言っていいか
わからない………




わからないのに



「何か用?」



無意識のうちについて
出た第一声は




なんとも冷めた言葉だった。
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