恋歌-Renka-



「か、花音!?」




普段そんなことは
絶対にありえないから
かなり驚いているのが
正直なところ………





「………バカはどっちだ?………お前は最初から片想いなんてしてないぞ」



「は?」




花音がいきなり
訳のわからないことを
言い出すーーーーー



「だって………私は最初に出会った時から、お前に恋をしていたから…」




う、嘘だろ………



最初から両想いだったなんて…
信じられない………



しかも自分が気づくより先に
花音は俺を好きになっていた。




もう、俺たちの関係は
まさに奇跡そのものだなーーー




俺は愛しい彼女の唇に
甘い甘いキスを落としたーーー




もう絶対に離さない




離せない




君無しじゃ生きていけない。




ーーーーーーーー



「あー、散々だったな」



花音が仏頂面で文化祭の
片付けをやっている。



あのあと………



おかしな先輩の登場のおかげで
めちゃくちゃになった執事喫茶は
先生の手によって強制閉店され



俺と花音と伊里沢先輩は
こっぴどく叱られた。



まあ、でも花音の
公開告白に感動したって人が
多かったらしく……




飲食店部門で一位に輝いたから
良しとしようじゃないか。




それに、俺たちの出会いも
思い出してもらえたし………。



俺は仏頂面の花音を見て
暖かな気持ちになったーーーー
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