恋歌-Renka-
番外編



番外編 *生きた証と光*




私たち、俺たちは
忘れない……



二人が一生懸命生きた証を。




*西谷編*



二人の葬儀が
執り行われた。



笑顔で並ぶ遺影に
皆が涙したことは
今でも覚えてる。



あの日、帝が眠る病室で
花音と話した数日後
美保の妊娠が発覚したーー。



その後、すぐ籍を入れて
1年後……数ヶ月差で
2人の赤ん坊が生まれた。



1人が西谷家
1人が美盛家



葬儀の時に皆で
話し合ったことがある。



子供が生まれたら
あの二人の名前を
それぞれとってつけようと。



うちの子は男の子。
美盛家は女の子が生まれた。


涼太と花音から名前をとって
太音(たおん)・涼花(りょうか)
と名付けた。




「パパー!ママー!」



俺の元に走ってくる
まだ満三歳の太音



「ねぇ、太音ってさ。」



隣にいた美保が
不意に俺の手を握る



「何だ?」



不思議そうに
首を傾げると
美保は笑って



「太音って……なんだか涼太に似てない?」



そう言ったーーー。



そんな彼女の呟きに
俺はもう一度、太音に
視線を向ける。



確かに…。


やんちゃで好奇心旺盛で
本当に涼太そっくりだ。



「もしかしたら涼太の生まれ変わりなのかもな……」




「そうね」



二人で顔を見合わせ
笑いあった。



いつか太音も涼太みたいに
素敵な女性に出会って
今度は生きて幸せに
なりますように。




そんな願いを込めて
俺は小さな太音を
抱き上げてぎゅっと
抱きしめたーーーーー



*西谷編 end*
< 270 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop