恋歌-Renka-




「なになに~?何してんの~?」





その言葉に顔を赤くして
お互いに離れる。




悪戯に笑いながら
帝に歩み寄る美盛。




「はぁああっーー。」




帝がガックリと肩を落とし
盛大な溜め息をつく。




そして美盛に笑いかけながら
今までで一度も聞いたことがない
恐ろしく低く冷たい声で






「蒼なんて…死んじゃえばいいのに」




「え?涼太?」




いやいや帝くん
目が笑ってないぞ?



おっかないこと
口走ってるぞ?




美盛も表情がひきつっている。





「ああ、ごめん。つい本音が…」





状況が読めていない美盛に
さっきの言葉の続きが
気になっている私。



私は急におかしくなって


フフッ



自然と笑みが溢れた。




そんな花音の笑顔をみて
二人が赤面していたのを
花音は知る由もないだろう……。

< 50 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop