恋歌-Renka-




その後、母は入院させられた。




けれどある日



母は精神的病のせいか
病院で暴れだし
そのまま病院から出て
道路に飛び込んだ。




その瞬間、無惨にも母はトラックに
轢かれ永遠の眠りについた。




特に悲しいとは
思わなかった。




私は病院の霊安室に眠る
母の顔を酷く冷めた目で
見つめ続けて



そして罪悪感でいっぱいになる




何故、気づいてあげられなかったんだろう?
もしも、母の苦しみに気づいていたら
私たちは幸せだったのだろうか?




自分を責め続ける度に生まれた憎しみ。



私は母を恨んでいた。
私を愛していなかった母親を。




死んだ人間を恨んだって
憎んだってなんの意味もないのに。
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