十年目の結婚記念日
朝出勤する時間は早い。
渋滞緩和のために早く家を出るのだ。
子供達は寝ているし、妻も寝ていることが多い。

俺は出かける準備万端、寝室に入って子供達の頭を撫でる。寝顔にいってきますと告げ、最後に妻を軽く揺り動かすと寝ぼけ眼で「いってらっしゃ~い」と滑舌の悪い返事が返ってくる。それをいつも可愛らしいなと思いながら軽くキスをして出かけるのが日課だ。

その日もそんないつもと変わらない日常で、助手席にカバンを雑に置いて出勤した。
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