片思い中の男子と、婚約しました。

リンリンッ


少しの段差で、揺れた自転車は音をたてた。


「おはよっ!花楓っ!」


集合場所の『花ヶ丘駅』にたどり着いた私は、おだんごヘアの親友を見つけ、声をかけた。


親友の松村花楓(まつむらかえで)は、私の声に気づいて、後ろを振り返ってくしゃっと笑った。


「菜々、集合時間の5分前!超ピッタリ」


「ヘヘっ、菜々様にかかれば楽勝ですわ」


私がわざとらしくホホホッと言って笑うと、花楓はキモッ、と言って後ろに下がった。


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