ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
「ただのクラスメイトです」

お父さんの疑うような言葉をキッパリと否定する梅乃くん。

疑わなくても、さすがにここにこのタイミングで彼女は来ないだろうに。

針のむしろだもの……。

梅乃くんの断言に安心したのか、梅乃くんのお父さんは私にニコッと微笑みかけた。

私は慌ててそれに微笑み返す。

……が、ぎごちない。

たぶん作り笑いなのがバレバレだ。

「それでは改めて自己紹介でもしましょうか。優羅」

お父さんの呼びかけに梅乃くんはイスを引いて立ち、一礼。

庶民の私にはあまりにも、目の前の光景が見慣れなくて、()(たま)れない……。

「梅乃優羅です。よろしくお願いします」
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