ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
小さくて消え入るように名前を呼ぶ声に、そっと目の前の桜川へと視線を移す。

……っ!

なんだよ、その顔……。

桜川は顔を真っ赤にさせて、困ったように俺を見上げていて。

コツンと俺の胸元に触れる桜川の背中。

なんだろ……。

鼓動が少し早くなった気がする。

こんな桜川の顔、しかもこんなに近くて。

……俺──────────

「はい」

俺はさっと桜川から目線を外して、桜川が取ろうとしていた本を取って、手を伸ばしたままの桜川の手元へ。

「あ、あり、がとう……」

俯いてて顔は見えないけど、髪がかけられた耳は真っ赤で。
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