ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
きっと頭の中で俺に着替えさせられたとでも思っているのだろう。

そんな素直な姿に、俺は頬が緩んでしまいそうになるのを必死に抑える。

「ちゃんと、“自分で”着替えさせたよ」

「へっ?」

顔を真っ赤にして俯いていた恋々愛はバッと勢いよく顔を上げた──────────

特別寮についてすぐ、俺は恋々愛を背負ったまま脱衣所へ。

ずぶ濡れとは言わないが、制服も髪も少なからず濡れていたから。

「恋々愛」

ゆっくりと床におろして、壁に寄りかからせると、恋々愛は俺の呼びかけに「ん……」と小さく反応した。

転校初日で精神的にも疲れていただろうに、女子寮ハシゴして身体的にも疲れたんだろうな……。

「恋々愛、自分で着替えられる?」
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