桜が舞い、君に出逢う。
心の中で毒づきながらも、

本を静かに閉じて机の中にしまう。

私の心の中がこんなに黒いこと、

みんなが知ったらどう思うかな。

まぁ、希空はなんとも思わなさそうだけど、

花陽は悲しみそうだな。

姿勢を正してホームルームを受け、

一、二時間目の体育をするための準備をし、

めいと共に体育館へと向かう。

「そういえばさっき彼方くんに話しかけられてたね!どうだった?」

めいは瞳を輝かせながら私に尋ねてくる。

「どうだった…って、どうもこうもないわよ。読書の邪魔をされただけ。」

「邪魔って…そんなことしてないと思うけど。」

「えぇわかってる。だから嫌なの。」

「ふーん、そういうもんかぁ。」

めいは密着していた体を少し離して歩く。
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