桜が舞い、君に出逢う。
蓮くんを避けてからその翌日、鏑木くんに声をかけられた。

「なぁ結城。昨日見ちゃったんだけど、なんであの先輩避けてんの?前まではあの先輩しか頼れる人いません!みたいな感じだったのに」

う…確かにその通りだけど。

「蓮くんとは…今、喧嘩中なの。」

「へぇ〜、それじゃあ」

そこで言葉は止められて、続くものはなかった。

「?」

「いや、何でもない。それより、今日の昼空いてるか?」

「昼休みは、まどかちゃんとご飯食べるけど…」

「あ〜それなら放課後。放課後待ってて欲しい。」

「う、うん。わかった…!」

鏑木くんが私に用なんて珍しいな。

なんの用事だろう?

なんて疑問を抱えながら放課後。

教室で鏑木くんを待っていると、鏑木くんはバッグを持っていて、帰ろうとしていた。

「えっ、鏑木くん。私に用事があるんじゃないの?」

「うん、あるよ。…さぁお姫様、手を取って。一緒にショッピングでもどう?」

鏑木くんは私の前に手を差し伸べ、少し腰を屈める。

すごい、本物の王子様みたい!

少し笑って、その手に自分の手を重ねる。

「よろこんで」

と言うと2人で教室を出て、ショッピングモールに出かけた。
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