御曹司の極上愛〜偶然と必然の出逢い〜
 そんな状況の中、驚く人物がやって来た。

 受付から真琴に連絡が入る。

「月野です」

「お疲れ様です。受付の宮本です。社長にお客様なのですが……」

「えっ、社長に?お約束はありませんが……」

「はい。そのようです。アポは取られていないようです。ですが……」

「どちら様ですか?」

「はい。レイチェル テイラー様と仰ってます」

「ええっ!」

 そう、今まさにショッピングモールに出店予定の倒産危機のブランド『Rachel』の代表だ。なぜ日本に、なぜ城之内不動産に乗り込んで来たのかわからない。

「どうしたら……」

「社長は不在だとは伝えていただいたんですよね?」

「はい。でも、ショッピングモールの責任者か社長の代わりの人がいるだろうと言われまして。しかも興奮されてるので、早口で聞き取るのが私では限界ですみません」

 切羽詰まっているのだろう。英語でまくし立てているのが想像できる。

「社長と連絡を取り指示を仰ぎますので、少しお待ちいただいて下さい」

「はい」


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