御曹司の極上愛〜偶然と必然の出逢い〜
「花田社長、場所を移しませんか?」

 春樹が提案する。

「そうですね。皆さん、仕事に戻ってください」

 会議室の外で見ていた社員達に向け声を掛けた。

 仁は、真琴の腰に手を回しさり気なくエスコートして歩き出す。

「あ、あのっ!」

「ん?真琴どうした?」

 誰もが見惚れる甘い笑顔。真琴は、あまりにも美しい仁に頬を赤くする。

「えっと、城之内社長」

 呼んだ時点で、唇に仁の人差し指が当てられ、真琴は言葉を飲む。

「仁だ」

「えっ、でも……。仕事中ですし」

 その言葉に、仁はニヤッと悪い笑みを浮かべる。

「わかった。仕事中は許そう。仕事以外は、仁以外認めない」

「……」

「社長。仕事中です。月野さんが困ってますよ。場所を考えて下さい」

「まあまあ、田沼くんいいじゃないか。長い長い片想いが成就したんだから」

花田社長は、クスクス笑う。

「詳しく聞きたいですね」

 今まで傍観していた木下専務が話に入ってきた。


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