御曹司の極上愛〜偶然と必然の出逢い〜
「そうですね。私は、城之内不動産の社員としてドバイでのオープンを見守りたいです」

「だが、俺がそんなに待てない…出来れば、日本でのレセプションが終わったら、ドバイについてきてくれないか?」

「私が勝手に決めれる事では……」

「わかった。俺がタイミングをみて花田さんに相談するよ」

 話をしていると、あっという間に会社の近くに着いた。

「仁さん忙しいのに送っていただき、あっ送ってくれてありがとう。気をつけて行ってきて下さいね」

「ああ。なんか、いいなぁ。毎日真琴に見送られて、おかえりと迎えてもらえたら幸せだな」

「そうですね。私も、両親を亡くしてからひとり暮らしなので、憧れます」

「これからの事はゆっくり話し合おう。ドバイが落ち着いたら拠点を日本に戻すから、新居も考えないとな」

「はい」

 名残惜しいが、会社の近くに長時間車を止めていると誰に見られるかわからない。仁は、真琴を日本に残して行く事に不安を感じたまま、ドバイへ飛び立った。


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