雨の日にしか会えないキミ


俺たちが出会うには
少し遅すぎた、けど──

君に恋に落ちる時間は、
ほんの一瞬だった。


「俺もあかりさんのこと
大好きでした、すごく!」


目頭をじんと熱くさせながら、
俺は顔いっぱいに笑顔を広げる。


それに対して、彼女は
『ありがとう、私も』と

今日一番のきれいな笑顔を見せながら、
まばゆい光と一緒に消えていった。


その直後。

空が青く晴れわたり、
キラキラとした七色の虹がかかる。


まるで、彼女の気持ちを
あらわしているかのように──…

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