雨の日にしか会えないキミ


彼女の手元には、
ほかの傘が見当たらない。


今までさしてきた自分の傘を、
俺にかそうとしてくれてるようだった。


この公園を通った彼女が、
雨やどりしている俺をスルーできずに、

勇気をだして、声をかけてくれた
のかもしれないけど……。


この雨のなか、
ずぶぬれになって帰ったら、
彼女が風邪をひいてしまう。


いくらなんでも、
傘は受け取るわけにはいかない。


でも、せっかく声かけてくれたのに、
ここで断ったら感じ悪くなっちゃうのかな……。


< 3 / 31 >

この作品をシェア

pagetop