俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜

生きている負い目 ーside Nazunaー

☆☆☆







その『奥の手』と言われた鉱物は、ただならぬ魔力を漂わせていた。

濃くて、吐き気を催すほど。

先程の冥王の血液と似たような感じの質を備えた魔力だ。さすが、高位魔族の『核』。

アレを伶士の体に与えようとしていたなんて、考えただけでも寒気が走る。



その水晶鬼の『核』。

突然出現し、さっきまではそこに無かったようにも思えるが……。

……そうか。リグ・ヴェーダか結界を張っていたのか。

そして、私が広範囲型の【相殺】を放ったために、その結界が解けて姿を現した……。



……だが、ここで更なる疑問が生じる。



この水晶鬼の『核』。

これをヤツは、これからどうするつもりなんだ?



伶士にこの『核』を与えて水晶鬼を復活させようとしたその企みは、私が花魁女郎蜘蛛を撃退したことで阻止した。

魔力が体内に充填されていないと、この魔族の『核』は人間の体とうまく融合しない。

その為、先の件では伶士を拐って夜な夜な魔力をコツコツと充填していた。

だが、私が阻止して伶士を奪還し、伶士の体内に溜まった魔力はその日のうちに浄化している。

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