俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜

生きている負い目 ーbacksideー

☆☆☆








『…何だ?…何だ何だ?!…悪者である僕たちを滅ぼして!この世界を救う正義の味方にでもなったつもりか?!あぁ?!』




ーーー『正義』を振り翳して、上から物を言われるのが嫌だった。

清く正しく、間違わないではみ出さず真っ直ぐに生きている奴らに。



俺たちは、いつも奪われてばかりだ。

過去に誤ち……カルマを背負ってしまったばかりに、どこまでも虐げられる弱者の立場なのだから。

俺たちに『正義』を語る資格はない。負い目を背負っている生きている俺たちに。



……なのに、こんな問いを繰り広げるヤツがいた。



『人は正しくなれない生き物だよ。果たして我々と君ら、どちらが正義か?』



どちらが『正義』?

喉の奥まで出掛かる声を堪える。

その言い方、俺たちにも『正義』を語る権利があると言いたいのか?

ふざけるな。そんなもの、あるわけないのに。

もしかして、手を差し伸べているつもりか?偽善者ぶりやがって。

……心の中では俺たちを見下しているくせに。




『じゃあ、今一度君に問う』

『…正義とは、何か』



あぁ、腹立たしい。

俺たちが『弱者』の括りにされ、見下されていることが。

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