俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜

誘拐、監禁、傷害…オガサワラリゾートの件にしても、無関係な一般人を巻き込んでいたというのだから、一般人の被害者もいる。

それなら、同じ土俵に立って奪い合うよりも、こっちの世界のやり方で罪を償わせた方が良い。被害者が救われるかどうかは、わからないけど。

……殺さず、生け捕りという方針には、ただ殺し合いを避けるだけではなく、そのような目的もあったのか。



「その観点からでは、この神童の『相殺』という技はとても効率が良く、便利です。魔力を分解するのですから、半人半魔に仕掛けるとあっという間に契約無効、ただの人間へと戻ってしまうのです。……契約で魔族に献上した体の部位は戻りませんで、それでやむを得ずお亡くなりになってしまった人もいますが……我々が【事変】で生け捕りにしたマントラの一員で、罪を償いながら人間としてこの世界で生きている人もいます」

「大石が契約で差し出した部位は、背中の筋肉…背筋の一部と腎臓ひとつ。生命維持に差し支えはない。……『相殺』で生捕にすれば、ヤツはこっちの法律で裁くことが出来るんだ」
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