俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜

だが、その疑問には直ぐに風祭さんから返答がある。



「……二人っていうのは、なずなともう一人、剣軌くんのことだ」

「菩提さんが…?!」



……あの時感じた違和感は、気のせいではなかったのだ。



なずなの保護者代わりであるあの菩提さんが、妹分の問題発言に苦言を呈するどころか、沈黙を貫いていた。

普段なら、どの誰よりも早くなずなを諌めるはずなのに。



ということは。

リグ・ヴェーダ捕獲の方針に異を唱えている仲間は、なずなと…菩提さんということになるのだ。



綾小路さんは、またため息をついてボヤく。



「今までならそのまま様子を見ていたのですが……状況が変わりまして」

「状況が?変わったって…」




…それは、俺も大いに関係している事項であり。

へー。あーそうですか。と、傍観していられる状況ではないことに、この後気付かされるのだ。



綾小路さんや、その周りの方々の面持ちからして。

これはーー窮地、だったりする。





「……恐らく、あの二人は密かにリグ・ヴェーダを『滅殺』、彼に復讐することを考えているでしょう……」







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