マリオネット★クライシス

ジェイを待ちながら、家族連れや学生っぽいグループで賑わう店内をぼんやり眺める。

学校帰りに友達と、ってシチュエーションが皆無のわたしにとって、テイクアウト以外でこういうとこを利用するのはほんとに久しぶり。
そのせいか、なんだか全部が新鮮に映って。

いろんな声に耳を傾けてしまう……


「ねえねえ期末、どうだったぁ?」
「英語と数学、げきちーん」
「やだもう、止めようよー、せっかく終わってホッとしてるところにぃ!」

わたしと同い年くらいかな。仲良さそうな3人組女子。私服だからどこの学校かはわかんないけど。

「そうだね、止めよー終わっちゃえばこっちのもん」
「そうそう、うちらを待ってるのは夏休みだよ!」

花火大会、キャンプ、海行ってライブ行って……か。
そうだよね、イベント目白押しの季節だもんね。

去年の夏、わたしは何してたっけ?

記憶を辿り……オーディションと仕事、演技のレッスンやボイストレーニング、そして授業の遅れを取り戻すための補講、それくらいしか思い出せないことに気づいて。
うわ、なんか1ミリも若者らしくないな、ってガックリ。

今年はついに、高校最後の夏だっていうのに……


――やっぱり進学はしないつもりなのか?

数日前、学校の廊下で担任に呼び止められた時のことを思い出す。

――とりあえず、大学や専門学校もいろいろ見てみたらどうだ。学業と両立してるヤツだっているんだろ? まだ若いんだから、他の世界もいろいろ見て……

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