毒甘王子と誓いのキスを
「「「かんぱーい!!!」」」


プレゼンに関わった若手社員たちが一斉に生ビールを流し込む。


私は控えめにシャンディガフを口にした。


「いや〜先輩、今日のプレゼンまじで最高でしたね。俺人前であんなに上手く喋れる自信ないっす。」


「いや本当に。先輩まじで尊敬っすわ。」


「後輩に嫉妬してしまうのは情けないことだが…今日のお前、冴えてたな。」


社員たちは口々に笹川さんを褒め労る言葉を並べた。


「ありがとうございます。これも皆さんのおかげです。今夜は飲み明かしましょう!」


笹川さんの言葉を合図に、皆はグラスのビールを一気に飲み干した。


「紫月、何か飲む?オレンジジュースとか、ミックスジュースもあるよ。」


笹川さんは、メニュー表を見せながら小声で耳打ちする。


「誰がおこちゃまですか!飲めますよ… すいませーん!メガレモンチューハイください!」


実はお酒に弱い体質の私だったが、場の雰囲気に呑まれてか、彼がいるからなのか、今日は何だかいけそうな気がした。






頼んだチューハイを飲み終わる頃には、私の意識は夢の中だった。
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