元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています


優しく触れるだけのキス。


それだけでとても幸せな気持ちになれるのは、きっと相手がノエルだからだろう。


そんな幸せを噛み締めていた時だった。



「…ねぇ、エレノア…黒髪の君ももちろん、好きだけどたまには金髪の君にも会いたいな」


と、彼の口からそんな信じられない言葉が飛び出したのは…。


「…!?ノエル…嘘でしょ、、もしかして最初から…」


ノアが私だってこと気づいて…


あまりの驚きで言葉が上手く出てこない私。


すると、


「心外だな。僕がちょっと髪の毛の色が違うからって…エレノアのことわからないわけないでしょ?まぁ、そういうところが可愛いから今まで黙ってたんだけど。やっぱり夫婦間に隠し事は良くないし?」


ニコッと、悪びれた風もなく優しく笑うノエル。


じゃあ、必死に変装して…エレノアだと気づかれないようにしてた私の努力って…。



結婚前最後にして、こんな爆弾発言を繰り出す彼に私は小さく肩を落としたのだった。




        *END*

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