少女と過保護ーズ!!

開店

"シャーウッド"周辺を爆音が支配する。



朝の8時過ぎ。


迷惑行為だけど、道路を挟んだ先は朝日を浴びてキラキラ輝く広大な海。


周りにある建物は"黒豹"に関わりのある人達のもので、こんな音は慣れっこ、なんてことはない人達ばかり。


だから現"黒豹"の皆は遠慮なくバイクのエンジンを噴かす。



あたしは学校に行く皆を見送るため外にいた。



う"ぅ"……寒い。


ビュービュー吹き付けてくる潮風が顔面を叩いてきて痛い……。


きっと頬は真っ赤だ。


そんなあたしを見て、復活した桂が笑う。


ホント、アイツだけはあたしの敵だ。


絶対にまた、キュウリの入ったサンドウィッチを食わせてやる。




「止めろっ」


「じゃあ、行ってくるべ、チビ!!」




バイクに跨がったままの竜希さんに頭を撫でられる。



「いってらっしゃい、竜希さん」



笑って頷く。



「行ってくるぜ、チビ助」



桂も手を伸ばしてくるけど、叩き落とす。



「触んな、勝手に何処へでも行けぃ」


「酷いな、オイィッ」




叩かれた手を撫でながら嘆く桂。


けど、目は笑ってる。


コ……コイツ……Mか!?


叩かれて喜ぶて……。


アンタを喜ばせる気なんてないぞ、あたしは!!



「ちょっ、ハイネッ」


「チビネ!?」


「ゴフッ!?」



桂を警戒しながら後ずさっていると、蓮くんと麻也の乗っているバイクに激突。



「~~っっ!?」



ハンドルがっっ。


ハンドルが背中に食い込んだぁああっっ。
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