少女と過保護ーズ!!

朝ごはん

あたしはドキドキと高鳴る心臓を落ち着けるために何度も深呼吸をする。


漆黒のアシンメトリーの髪。

形の良いアーモンド型の漆黒の瞳。

通った鼻梁に薄い唇。

中性的で、それでいて男らしい凛々しさを備えた真木八雲さん。



あたしの現在進行形の初恋の人だ。


寝起きの悪い(自覚あり)あたしを起こすため、毎朝来てくれる。


朝一番に見れるのが、大好きな人だなんて。


なんて幸せなんだろう。



「っと!!ヤバい!!」



幸せを噛み締めてる場合じゃない。


朝ごはん!!


皆が待ってる!!




素早くトレーナーとジーンズに着替え、いつものエプロンを着けて準備完了。




「よし!!父、母!!今日も1日頑張るぞ!!」



机に飾ってある両親の写真に挨拶をして、部屋を出る。


顔を洗って、しっかり目を覚まして1階へ。



あたしが住んでる所は、2階が住居、1階が喫茶店"シャーウッド"となっている。



"シャーウッド"はカウンターに5人のお客様が座れるようになっていて、ボックス席が6つ。


"シャーウッドの森"をイメージして造られているから、壁紙は淡い緑。


木で出来ているテーブルや椅子は職人さんの手作りで、とても可愛くて心落ち着くお店となっている。



ご近所さん、散歩する老夫婦、出勤前のサラリーマンにウーマンと老若男女に人気だ。



あたしは本来なら高校1年なんだけど、訳あって高校には行かずにココで働かせてもらってる。



「はよーございます!!」



大きな声で挨拶をしながら"シャーウッド"へと繋がるドアを開けた。
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