幼なじみにつきまとわれています
♯4 ずっとそばにいる
瑠花ちゃんと別れて、家までの道を歩く。
ここは比較的、車の通りの少ない道だから。
わたしの少し斜め後ろを、拓海が歩いている。
「きゃっ……」
「乃々ちゃん……!」
石につまずいて転びかけたところを、後ろからすぐさま拓海に支えられた。
わたしの腕を掴む、拓海の節ばった大きな手。
拓海に触れられると、心臓がドキドキと脈打つ。
「乃々ちゃんって、たまにわざとなんじゃないかと思ってしまうくらい、よくつまずくよね」
「ご、ごめん。いつも……」
今まで転びそうになったところを、拓海に何度助けられたことか。
「ううん。そのために、俺がいるんだから。乃々ちゃんが転ばなくて、ほんと良かった」