聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったので、異世界でふわふわパンを焼こうと思います。
ふわふわの丸パンとヒール



 翌朝、ウキウキしながら起きると早いけど昨日作ったパルムの瓶を見に行くことにした。部屋に入ると、被せた布を取り、蓋を開けた。

 開ける瞬間に炭酸のようなシュワっとした音が聞こえた。一度匂いを嗅ぐと、あぁこれだ……と感動する。


「異世界にも酵母菌はあるんだなぁ」


 私は瓶に蓋をし、上下に振りまた布を被せた。それを数日繰り返した。

 今まで退屈だった日々が、こっちに来て初めて充実している。



「あっ! メル様っこちらにいらしていたのね!」

「あ……ライラ。ごめんなさい。でもね、やっと出来たのよ!」

「……え?」


 これで、ふわふわなパンが出来る!


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