聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったので、異世界でふわふわパンを焼こうと思います。
舞台裏2
「ギル、今帰り?」
「……あぁ」
ギルバート・セダールントは、ただ今公爵邸から王都の王宮騎士団寮へ戻って来ていた。
声をかけてきた男は伯爵家次男であるロバート。こいつとは同期であり同室である。
「デートはどうだった?」
「……デート?」
「王都に一緒に行ったんだろう?」
「ああ、言ったがあれは……デートなのか?」
ロバートは何かを呟くと「ギル、聞くけど……」と話し出す。