聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったので、異世界でふわふわパンを焼こうと思います。
バターたっぷりクロワッサンを持って王宮にいきます。


 ギルバード様と王都へ出かけて三ヶ月経った。私は、公爵家の厨房でお昼ご飯だけ働かせていただいている。

「メル、そろそろパンを焼いてもらえるだろうか」

「メルは下っ端からしっかりとこなしている。普通なら調理部門に決まるのだが、メルはパンが焼けるし、旦那様もそれでいいと言っている」

「……いいんですか?」

「ああ、助手にアルベルトを付けよう」


 アルベルトとは、公爵家料理人で今はスープを担当していて私のことを師匠と呼んで慕ってくれている青年だ。


「私やりたいです、よろしくお願いしますっ!」


 私はやりたかったパン作りが堂々とできるようになり、その日からパンを担当することになった。



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