聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったので、異世界でふわふわパンを焼こうと思います。


「緊張しなくてもいいわ。陛下はフレンドリーで楽しい方だから大丈夫だからね」

「はい……ありがとうございます」


 エミリーさんはそう言って出て行ったけど、私の心臓はバクバクだ。


「メル様、明日のドレスを選びましょう」

「うん。ライラは、知ってたの?」

「はい、黙っていて申し訳ありません……」


 ライラは、申し訳なさそうな表情を見せる。


「いや、いいんだけどね。もしかしてギルバート様がドレスをプレゼントしてくださったのは明日のことご存知だったのかな」

「それは、先日王宮から文が届いたのでギルバート様はご存知なかったと思いますよ」

「そうなんだ、私……礼儀作法大丈夫かしら」


 国王陛下や王子様がいらっしゃるということは、礼儀作法が大切よね? 今まで、公爵家の人としか食べたことなかったもの……。


「大丈夫です、普段からしっかりと出来ています」

「本当?」

「はい、大丈夫ですよ」

「でも……」



 その後ドレスを選ぶと、不安な私の為に礼儀作法のレッスンをしてもらった。




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