聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったので、異世界でふわふわパンを焼こうと思います。
王宮にて療養しています、


「メル様、副団長様がおいでになりました」

「……通してちょうだい」


 王宮の離宮にて過ごすようになり一週間経ち、私には王宮の侍女が付きっきりでお世話をされていた。


「メル、おはよう」

「おはようございます、ギルバード様」


 そして、毎日朝昼晩とギルバード様がやってくる。やっぱり私のことを責任感じているのかもしれない。

 あれは私の不注意だったから招いたのだから気にしないでいいのに……。


「メル、今日は王都にある人気の洋菓子店の焼き菓子を買ってきたんだ一緒に食べよう」

「食欲、ないので大丈夫です。いつもありがとうございます」


 私はあの日から食欲がなくなってしまった。何も受け付けてくれない。


「そうか。すまない……」


 あのあと、起きると女性騎士さんに色々聞かれた。

 最初から最後まで全て話しをした結果、王宮医師が療養のため離宮で過ごすべきだと言われてしまった。

 あの王子とか男たちがどうなったかはわからないけど、噂で幽閉されていると聞いたが本当かどうかわからない。




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