コンチェルトⅡ ~沙織の章

沙織は 紀之と結婚して 

本当に裕福な生活が どういうものかを知った。


紀之との 生活は 驚くほど豊かだった。

普段は 贅沢をしないけれど お金の心配を 一切しない生活。


躊躇なく お金を使える生活は 心に 余裕を与える。
 


紀之は レジャーや外食に お金を惜しまない。


子供達に 色々な経験を させる。


樹も翔も 小さな頃から 高級レストランで 食事をした。


海外旅行にも 早くから 連れて行った。
 


一度に 何万円もの食事を 紀之は 贅沢と思わない。



子供達は 色々な場所でのルールを 自然と身に付けていく。


これが 特権階級の生活だと 沙織は思った。


樹も翔も 同年代の子供と比べて 物怖じしない。

色々な場所へ 連れ出して 色々な経験を させているから。


子供らしく 伸び伸びと 慣れていく。


そして 好奇心旺盛に 色々な物に 興味を示した。
 


将来 経営者となる樹。


紀之は 自然に その器を 身に付けさせようとしている。


だから沙織も 子供達には 贅沢と思える経験を 積極的にさせた。


それが 沙織の使命だと 思っていたから。
 









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