コンチェルトⅡ ~沙織の章

智之の結婚が 紀之の 希望を叶えた。
 
麻有子と結婚したことで 智之は 心の壁を取り払った。


麻有子は 誠実で 計算のない瞳をしていた。


いつも 一途に 智之を思い 

智之の為に 努力をしている。


沙織は 初めて会った時から 麻有子に好感を持った。
 


「私、本当なら 智くんと 結婚できるような身分じゃないの。」

と麻有子は 沙織に言ったことがある。
 
「私も 普通の家から お嫁に来たのよ。麻有ちゃんと同じよ。」

沙織が言うと 麻有子は 軽く首を振り、
 

「お姉様は 東京出身だし 私とは違うわ。こんな私を認めて下さって、お父様とお母様には、とても感謝しているの。」

と控えめに微笑んだ。
 







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