Tear Flowers〜快楽は毒に変わる〜
「話を聞いた時、特殊捜査ってどんなものなんだろうって思ってた。警察官ではない人間が集まっていて、捜査がうまくいくのかって思ってた。でも、ここにいる人はみんな優秀でどんな捜査官にも負けない素晴らしいチームだ」

「ありがとうございます!えへへ、嬉しいな……」

エヴァンが照れ臭そうに頬をかきながらそう言い、レイモンドは胸元を掴んで瞳を潤ませている。そんなレイモンドを見つめ、アルミンはゆっくりと近付いてその肩に手を置いた。

「あの頃の小さい子どもじゃなくなったんだね……。犯人に話している君の目を見て、大きくなったんだと思ったよ。君は、一人前の精神科医である前に立派な人間だ」

レイモンドの頭の中に、アルミンが一番傷付いた時のことが流れてくる。一瞬にして多くの人に裏切られ、傷付けられた悲しい記憶だ。そんな過去を抱えた中、アルミンはレイモンドに優しく微笑んでくれている。

レイモンドの瞳から涙がこぼれ落ちる。その中、彼は微笑んでいた。

その様子を見て、フィオナとエヴァンはゆっくりと教室を出る。それを見てアルミンはレイモンドを抱き締めた。
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