不条理なわたしたち
頭を抱えながら思った。

堕ろすべきだと。

赤ちゃんを可哀想だとは思う。

でも一人で育てられる自信も覚悟も無い。

後悔しているくらいなんだから。


……最低な人間だ……私……


とりあえず病院に行こうと時計を見るが、もう病院は閉まっている。

明日、堕ろしにいこう……と考えた時、思った。


この命は二人で作ったものだ。

一人で勝手には出来ない。

流石に彼に秘密には出来ない。

でもあの時のメモは彼の家に置いてきた。

電話番号は登録しなかったし、覚えてもいない。

彼の連絡先が分からない。

……あそこに行くしかない。


私は鞄を掴むと、あのバーに二ヶ月振りに向かった。
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