私の王子様は会社の社長 ~突然私は婚約者になってしまった~
出会い

窓を開けて見える満開の桜。
朝の空気はまだ少し冷たい。
風が吹くと、ヒラヒラと花弁が舞っている。

真新しいスーツに袖を通し、肩までのセミロングをキュッと一つに束ねる。
鏡を見ながら、練習したばかりのナチュラルメークを丁寧に仕上げる。



今日は4月1日。

入社式会場と貼りだされたホール。


全国の支店も合わせると、新入社員は100名程だと聞いている。
紺色の背中が並んでいる中、私の配属となる部署と名前が書かれている椅子を探して座る。

役員の挨拶や、来賓の祝辞、に続き式典がスムーズに続いている。



------------そして!!



私が5年間待ち望んだ瞬間が間もなくやってくる。

司会の社員がその人の名前を呼んだ。



『…続きまして、代表取締役社長 如月 徹…』



---------憧れの王子様だ!!--------



< 1 / 74 >

この作品をシェア

pagetop