私の王子様は会社の社長 ~突然私は婚約者になってしまった~
サプライズ

「ひーなーちゃん、ランチのお弁当を買って来たから、一緒にお昼ご飯食べない?」

少し年齢の近い中村さんは、なんでも話せるお兄さんのような存在になっていた。

今日も中村さんは、会社近くの人気のお店で、話題のお弁当を買って来てくれていた。

「中村さん、ありがとうございます。このお弁当一度食べてみたかったので嬉しいです!」

中村さんの提案で、今日は屋上でランチを食べることにした。
天気の良い日は、屋上の風が心地良く、私もお気に入りの場所だ。

少し日陰のベンチを選び、私達はそこでお弁当を広げた。

お弁当を頬張りながら、中村さんが話し始めた。

「陽菜ちゃんは、小さい頃からの夢とかあるの?」

中村さんの質問が突然すぎて、言葉に詰まってしまう。

「…うーん。小さいころの夢はあります。現実的ではないのですが…」

「…それ聞きたい!」

「私は、小さいころに読んだ絵本の王子様が初恋なのです。白馬に乗った王子様が現れて、跪いて…みたいなことが、小さい頃の夢でしたね…」

私は中村さんに、大笑いされると思っていたのに、意外にも頷いて共感してくれている。

「それって、永遠の女の子の夢だよね…僕も妹がいるから分かるよ。小さい頃、妹から王子様役をやらされた事があるよ!女の子は王子様大好きだよね!」


私は中村さんの話を頭の中で想像していた。


(…中村さんだったら王子様も似合うだろうな…でも王子様はやっぱり徹さんかな?…)



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