凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
 急いで濡れた手をタオルで拭きスマートフォンを持つ。

 そこに表示されている名前を見て、ふうーっと息をついた。

「もしもし?」

『菜乃? 今いい?』

「いいけど、日菜香ちゃん仕事じゃないの?」

 今日は火曜日だ。

『お昼休み。だって全然電話できないから』

 帰ったらすぐに椎名さんとどうなったのか電話をすると約束していたのだが、互いの仕事のリズムが違うので都合がつかず、今日までなにも話せていないのだ。

 といってもメッセージで大体の内容は伝えている。

『その後、どう?』

「毎日連絡は取り合ってる。短いけど必ず電話をくれるんだよね」

『わざわざロンドンから? できる男は違うわね……』

 連絡先を交換したときは、まさかこんな頻繁に連絡を取り合う関係になるとは露程も考えていなかった。

「明日お土産をもらうために会う予定になっているんだけど、私もなにか用意した方がいいのかな?」

『なにかって?』

「私は誕生日プレゼントもらったのに、椎名さんにはあげてないでしょ?」

 姉は、『あ、そうだね』と今その事実に気づいた様子だった。私はネックレスをもらってからずっと悩んでいる。
< 106 / 248 >

この作品をシェア

pagetop