クールな外科医はママと息子を溺愛したくてたまらない~秘密の出産だったはずですが~



6年ぶりに再会した人、とはいえまだ会って2度目の人と寝てしまうなんて。

これまで人並みより少ないくらいの恋愛経験しか積んでいない自分にとって、とんでもないことだ。



けれど後悔は微塵もない。

むしろ、初恋の彼とこうして再会して体を重ねるなんて夢みたいだと思う。



でも、由岐先生にとってはどうなんだろう。

どんな気持ちで、私を抱いたんだろう。

遊びとか勢いとかならまだしも、一晩明けて『なんでこんなやつとしてしまったんだ』と後悔されたらどうしよう……。



彼の行動の真意を知りたい、けど下手なことを知ったら立ち直れないかもしれない。

となればもう、ここは無言で立ち去るのが一番だ。

私だけにとっていい思い出のままにしよう。



私はそう決意すると、できるだけそっとベッドを下りる。

そして音を立てないように早々と着替え荷物を手に取ると、駆け足で部屋をあとにした。





それから一度自宅に帰り、お風呂に入り身支度をして……私はいつも通り出勤した。

昨夜のことが夢に思えてしまうような、普段と変わらぬ小児病棟へ行くと、そこにはすでにユニフォームを着た鏡花ちゃんがいた。



「鏡花ちゃん、おはよう」

「あっ荻!ちょっと昨日いつの間に帰ってたの!?」



不満げに言うその様子から、由岐先生と会場を出たところは見られていなかったらしい。

昨夜の由岐先生とのことは、鏡花ちゃんには黙っておいたほうがいいよね。万が一ここから噂が広まるのもよくないだろうし。

そう思い私は笑ってごまかす。



  
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