~狂恋~夫は妻を囲う
「は?そんなことしねぇし、そんなの普通じゃねぇよ!?」
「じゃあ、聞くけど!
束縛しちゃダメって誰が決めたの?
総理大臣?天皇?
そんな法律ある?
それを決めてるのは“彩羽”だよ!
彩羽が、俺を選んだんだ!
お前が口出す方が、おかしい!」
「………」
「ほら、言い返せない!
洋武は黙って俺の言う通りにしてればいいの!
じゃないと、取り返しのつかないことになるよ?」

「は?取り返しのつかないこと?」
魁聖はフッと笑い、洋武に近づいた。

「洋武は所詮、俺がいないと生きていけない。
洋武を消すことなんて、朝飯前なんだよ?
あ、もう一つ言っとくね!
あんまり俺を怒らせると、洋武の大好きな彩羽に二度と会わせないよ?いいの?洋武と左右だけは、唯一彩羽に会うことを許されてるんだから!
それを、自分で放棄するの?」
と、耳打ちしたのだ。
「なっ……!!!魁聖、お前……!!」
「洋武は嫉妬してるんだよね?
彩羽が俺を選んだから!」
ガッ━━━━━!!!
「てめぇ……!!!」
洋武が魁聖の胸ぐらを掴んだ。
魁聖は特に何の反応をなく、洋武を見据えていた。

「洋武!?やめな!!」
聖子が洋武を止めに入る。
「離せ!!俺はコイツに━━━━━」
「やめて!洋武くん!!
魁聖を離して!?」

彩羽が目に涙を溜めて、訴えるように言った。

「あ……彩羽…ごめん…」
ゆっくり手を下ろした洋武だった。

「じゃあ…帰るね~
彩羽、帰ろ?」
「うん…」

魁聖と彩羽が去った会場。
「洋武?」
「わりぃ……雰囲気悪くして…」
「魁聖、さっき耳元で何て言ったの?」

「言いたくねぇ…」
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