タイトル未定の恋心
タイトル未定の恋心

 とても天気のいい日だった。ぽかぽかの散歩日和。
 こんなにいい天気なんだから、家でいるのは勿体無いとワタシは外へ出た。
 おうちでごろごろするのも好きだけれど、お散歩も好きだ。それに、朝から外に出かけていたカレもそろそろ帰ってくる時間。お迎えをするつもりはこれっぽちもないけれど、バッタリあってしまったなら一緒に帰ってもいいかな、とも思う。帰る場所は同じだし。
 なんてことを考えながら、角を曲がった。その先に見えたのは、ぼんやりとした、けれど見覚えのあるシルエット。
 ああ、カレだ。やっぱりバッタリあってしまうのね。
 心の中でくすりと笑って、ゆっくりと数歩近付いた。

「え? そうなの? いいなぁ」
「あ、よかったら今度、見に来る?」

 瞬間、聞こえた声と、見えてきたもうひとつの見知らぬシルエット。

「いいの? 迷惑じゃないかな?」
「ぜんっぜん!」

 誰?
 そう思いながらカレを見れば、大袈裟なほどの身振り手振りで、もうひとつのシルエットに何か伝えている。

「じゃあ今度、おじゃまさせてもらおうかな」
「ぜひぜひ! 俺はいつでもオッケーだから!」

 ねぇ。
 そのコは、誰なの?
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