あなたとしゃぼん玉
第二章:彼女の思い

終わりの始まり






わたしの人生って、本当はどこから間違えていたんやろう。
いくつも立ちはだかった選択肢たちを振り返っても、何が正解だったか分からない。

ただ、分かったのは。
思い知ったのは。

わたしはいらない、必要ない子だったということ。
小さい頃から本当は気づいていて、23歳で確信して、25歳で完全に暗闇に飲み込まれる。

海の底に落っこちていくように。
深くて暗くて、淀んで、何もかも見えない闇のような水中に落ちていく。
息は出来ないし、視界は暗くて何も分からない。
ゆっくりと、ただ着実に。

底へ底へと墜ちていく。
サメや魚の餌になろうが、身体が粉々になって醜くなってしまおうが。
今のわたしにとって、この死は本望。

誰にも気づかれないまま、知られないまま、
弾けて滅びてしまいたかった。

わたしは何と戦ったんだろうか。
孤独と戦ったんだろうか。

何を学ぶために生まれてきたの?

たどり着いた答えは、わたしはこの世に生まれてこなかったら良かったということ。

わたしがあの両親のもとに生まれてこなかったことが、何よりもの幸せだったということが学べたよってきっと答える。

毒娘…?
親不孝者?

うん。そうやね。
何を言われたっていいよ。
変わりたかったけど、どう足掻いても変わり切れなかった。
どんなに笑っても、楽しい気持ちを優先しても、こころの奥底にある歪なこころが邪魔をする。
この癒えない傷口は、いつもひとりで泣いてたよ。

誰も気づかない暗闇でずっとずっと泣いていたよ。
わたしがその子を抱きしめても、慰めても、絶対に癒えることはない。
その子の悲しい表情は治せなった。

誰かの愛を今日も待ってる。
誰かが癒してくれることを。
受け止めてくれることを。
許して、包み込んでくれることを。

今日も待っているよ。

わたしはもう眠るから、どうかあの子を助けてあげてほしい。
こころの痛みを和らげてあげてほしい。

わたしだけは。
わたしだけはあなたを愛していたよ。
助けてあげられなくて、ごめんね。




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